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研究プロジェクト
現在の研究分野

神経系における生命情報多様性獲得メカニズムの支配するシナプス機能の解明
シナプスの形態、機能的多様性と可塑性の仕組み
生命情報多様性獲得のメカニズムとして一番重要なのは「選択的スプライシングによるRNAレベルの多様化」です。選択的スプライシングは単一の遺伝子から複数の遺伝子産物を生み出し生命情報を多様化させる重要な仕組みであり、高等動物における複雑な組織構造と機能発現に寄与していることが示唆されます。今後私達は神経系における選択的スプライシングの制御メカニズムを明らかにし、さらにスプライシングによって生み出される生命情報の多様化が神経機能にどのように寄与しているのか研究してきました。
これまで私たちはSTARファミリーに属するスプライシング因子 (SAM68, SLM1, SLM2) に注目し、これらの支配する神経系のスプライシングプログラムの解読と機能解明を行ってきました。その結果、これらがシナプスの可塑的機能に強く関わることを発見してきました。さらに現在は、これらのスプライシング昨日の破綻が引き起こす異常から神経疾患との関わりについて検討していきたいと考えています。
神経軸索分子の動態を制御するスプライシングプログラムの解読
軸索可塑性の分子基盤
神経可塑性には様々なタイプがあります。学習や記憶過程に重要なのは、長期増強などのシナプス可塑性とされていますが、私たちの喜怒哀楽も可塑性によってコントロールされると考えられます。この様な可塑性の破綻は、ヒトの気分や感情を乱しやすくし、躁うつ病や統合失調症などの疾患の原因となることが示唆されます。
私たちは、軸索で起こる可塑性がこの様なホメオスタティックな可塑的コントロールに重要な役割をしている考えており、今これが軸索分子のスプライシング制御で支配されていることを明らかにしつつあります。現在、ゲノム編集などの技術を多角的に駆使して、さらなる解明に取り組んでいます。


自閉スペクトラム症 (ASD) における普遍的分子病態の解明と治療の開発
ASD発症の起源
多様な生命情報の創出が健全な精神活動に重要であることは、その破綻によって多くの脳・神経疾患を引き起こすことからも明らかです。私達のグループでは独自のアプローチにより ASDを引き起こす原因について分子レベルで調べています。これまで自閉症モデルの神経細胞を用いた網羅的トランスクリプトーム解析によって、複数の興味深い遺伝子の発現変化を見いだしており、疾患との関連性について検討しています。